「タバコ取り扱いなし」でも24カ月前年超え男
「業界4位以下」でも私は売る!【コンビニ業界4位:サークルKサンクス】
プレジデント 2009年3.30号
「『この商品を売りたい!』という気持ちを持ってくれれば、いい流れができる」
梶山寿子=文 大杉和広=撮影
http://president.jp.reuters.com/article/2009/08/20/1631F170-826C-11DE-917A-CDC03E99CD51.php
東京・中野区の住宅街にある「サンクス・都立家政店」は一見すると目立たないコンビニだ。業界4位・サークルKサンクスのFC店。最寄りの西武新宿線・都立家政駅から徒歩5分という微妙な立地で、駅前には業界トップの「セブン-イレブン」、飲料・食品に力を入れるドラッグストアなど、競合店がひしめく。
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菊地健一郎●1973年生まれ。中央大学経済学部卒。日本電信電話、日本マクドナルドを経て、98年サンクスアンドアソシエイツ(現サークルKサンクス)に入社。2003年より城西地区を担当する。実家は表具屋。「経営者として自分の店をもつことが夢です」。昨年来コンビニ業界は「タスポ(たばこ自動販売機用成人識別ICカード)」導入の影響で好調を維持しているが、この店では、たばこの取り扱いはなし。たばこ販売を行う近隣の「セブン」や「ファミリーマート」に比べて、状況はかなり不利だと言わざるをえない。
にもかかわらず同店は、24カ月連続で売上高が前年比増という快進撃を続けているのだ。この大躍進の原動力が、同店のスーパーバイザー(SV)を務めるサークルKサンクス・第2地域本部運営グループの菊地健一郎さん。人なつっこい笑顔が印象的な35歳の男性である。98年サンクス(当時)に入社。
「FC店オーナーや店長のやる気を引き出すSV」として頭角を現し、現在は中野周辺の8店舗を担当している。「競合店は気になりません。気にしても、仕方ないですから」と明るく話す。
菊地さんが心がけているのは、オーナーや店長の夢を尊重すること。その実現に向けた取り組みをあと押しするのがSVの役割だと考えているのだ。
その方法論は山形・新庄市の店舗を担当した新人SV時代に学んだ。「クリスマスケーキの予約を1000件取って、本社を驚かせる」というオーナーの夢を実現させた際、「結果を出すためには、具体的な目標設定とスタッフ全員を巻き込むことが必要だ」と理解したのである。
「都立家政店」では「社内グランプリで優勝する」との目標を掲げ、接客時の笑顔や効果的な商品の陳列方法などを指導。スタッフのモチベーションを高め、見事グランプリを獲得した。
「笑顔にせよ、陳列にせよ、まず自分でやってみせることが大事。そして相手のいいところをほめる。山本56の名言『やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ』の通りですよ。『この商品を売りたい!』という気持ちを持ってくれれば、いい流れができる。自発的にポップを作り、アイデアを提案してくれるようになるんです」
モットーは「一日必笑」。
「こんな時代だからこそ、笑いは重要。打ち合わせや会議でも、必ず相手を笑わせるようにしています。笑いながら賑やかに話をしていると、自然と前向きな意見も出るんですよ」
人の心理を読んだ絶妙な売り込み術も菊地さんの得意技である。コンビニの売り上げを伸ばす決め手はフライドチキンなどのカウンターフーズ。そこで顧客をよく観察し、「お客様が商品に目を向けたタイミングで『いかがですか?』と声をかけると成功率が高まる」と教えている。
また、本社から下りてくる情報に頼らず、地域の特性に合った独自の商品展開にも力を入れる。地震が頻発したときには、店長に『震災時帰宅支援マップ』の発注を増やすよう提案して、爆発的なヒットにつなげたこともあるという。
業績好調の秘策は、店長やスタッフをやる気にさせることに尽きる。達成感を感じるのは「人の喜ぶ顔を見たとき」。「SVは指導役ではなく盛り上げ役」だと笑う。担当を離れたあとも「ずっと担当してほしかった」「SVの中でも特に思い出深い」と感謝の言葉が届く。それを大事に手帳に挟んでいる。
※順位は編集部調べ
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