単一の価値観に対する闘い 『タバコ狩り』 室井尚著
まず断っておくが僕はタバコを吸わない。で、あるにもかかわらず、昨今の喫煙事情には同情すら感じてしまう。室内はもちろん屋外でも吸えるスペースは限られている。喫煙所に人が群がる光景は、窮屈そうでかわいそう。
http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news4/article.php?topicsid=9802&pack=EN&storyid=241119
著者はこのような状況を中世の魔女狩りに例える。そして禁煙ファシズムに真っ向から対立する。その論調は鬼気迫るものがある。もちろん、国立大学の教員である著者自身が100本以上のパイプを保有する愛煙家であるのは言うまでもない。
本書によると原因はWHO(世界保健機関)の極端な禁煙キャンペーンにあるという。タバコ規制条約の締約国である日本は方針に従わなければならない。その流れのなかで公共機関の禁煙化、tasupoの導入…が進んでいるらしい。対して、著者はタバコの有害性を問い直し、受動喫煙にいたっては「詭弁」と断じる。
著者が闘っているのは喫煙問題だけでなく、そこから見えてくる単一の価値観を押し付けてくる社会なのだ。
(平凡社新書 680円+税)=一色こうき・筆
スポンサードリンク