タスポ効果後もコンビニ堅調、不況で弁当など下支え
[東京 22日 ロイター] コンビニエンスストアの売上げ高が堅調に推移している。今年7月以降、ICカード(タスポ)方式によるタバコの成人識別自動販売機導入でコンビニへの来店が増えたが、徐々にタスポ効果がはく落すると見られていた足元でも、来店客が減っていないためだ。
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不況が深刻化する中で、ワンコイン500円で買うことのできる弁当などの物販が好調に推移しているほか、原材料コストの低下を受けて値下げ合戦に突入した総合スーパーとは異なり、販売価格が大きく変動しないコンビニはマージン改善を享受でき、タスポ効果はく落が予想される来年夏以降も、堅調に推移する可能性が出ている。
日本フランチャイズチェーン協会が22日に公表した統計によると、12月の既存店売上高は前年比7.4%増で7カ月連続プラスとなった。コンビニの売上高が好調に推移しているのは、タスポの導入によりコンビニでたばこ購入者が増えたのがきっかけだ。
しかし、市場では、徐々にタスポカード保有者が増加するとの予測があったほか、今年7月から関東を含めて全域に導入されたことから、来年7月以降は反動が出るため、コンビニの好調さは来夏までで終えんすると見られていた。コンビニ各社の株価も、タスポ効果が最大限に出てきた8月上旬にそろって高値を付けた後、10―25%程度軟化して推移してる。
ところが、実際には「カード作成の手続きが面倒」「個人情報漏えいが心配」などの理由からタスポの普及率は30%超で頭打ち。売上高好調の背景には、依然としてコンビニでたばこを購入する「タスポ効果」が続いている。
また、コンビニの好調が足元でも続く要因として「タスポ効果だけではない。弁当など物販が伸びている」(三菱UFJ証券シニアアナリストの金森淳一氏)との見方も出ている。11月の各社の既存店売上高は、セブンイレブンが前年比7.5%増、ローソンが同8.6%増、ファミリーMが同7.6%増。弁当など調理を必要としない持ち帰りの「中食」需要によって、タスポ効果を除く「真水」でも、2%程度の伸び率を確保しているとみられる。こうした物販の強さは、景気悪化が顕著になった10月以降、目立ってきているという。
ある業界関係者は「原油価格が下がったとは言え、郊外型のレストランで食事をすると1000円程度は必要。コンビニは、歩いていける場所にあり、ワンコインの500円以下で1食を済ませることができるため、不況時の需要が出てきている」と説明する。差別化を図るためにおでんやフライヤーなどファストフードも積極展開しており「この部分は5―6%伸びている」(ファミリーマート)という。
新光証券・シニアアナリストの川原潤氏は「客数が増えており、タスポが一巡したから急激に落ちるかというと、そういうことではないと思う。景気がよくなると逆に外食に流れるが、景気の悪い間はしばらくコンビニは堅調」と述べている。11月の既存店の来店客数は、前年比6.3%増加している。
コンビニは、最近の原材料費値下がりの恩恵を受けやすいとの指摘もある。各種の原材料価格が上昇した時もコンビニは弁当の販売価格などを据え置いており、原材料価格下落が顕著になった足元でも、目立った値下げの動きはない。三菱UFJ証券の金森氏は「コンビニは価格硬直性が高く、コストが下がると、マージンが改善する可能性が高い。総合スーパーの食品などは、マージンの改善を競争原資に使い、値下げ競争になっている」と述べている。
今後の株価について、川原氏は「相対的にバリューエーション高くなっているが、業績が大崩れするわけではないので、全体の相場の中では堅調に動くのではないか」との見方だ。
2008年は、コンビニの売上高が初めて百貨店を抜く見通し。このため割安感があっても百貨店株へ資金を動かすことは難しく、金森氏は「来年夏に既存店の売上高が弱含んで一時的にコンビニ株が売られる可能性もあるが、コンビニが来期も増益ならば、株価が戻ってくる可能性がある」とみている。
(ロイター日本語ニュース 清水 律子記者 取材協力:浦中 大我記者;編集 田巻
一彦)
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